
塗装編
PROLOGUE
中古品を扱うサイトで安価で目に付いたフジミのレビン2ドア(前期)を入手。
製作にあたり、ボディカラーはハイメタルトーニング(銀/黒)にブルー系内装のGT-APEXとする。
TRUENO/LEVIN前期の内装はツートーン、一般的に知られているのはGT-APEXのエンジx赤の内装にブロンズガラスだが、塗色がシルバー系とブルー系は、紺x青にグリーンガラスである。実車の青内装の残存数は少ない模様。

BASE KIT
フジミ AE86 カローラレビン 2ドア (前期)

現在、レビンの2ドア前期モデルはフジミのHP内ではリスト落ちしている。再販されるかは不明。
箱絵の13インチ純正アルミ+185/70 13かと思いきや、付属はワタナベでちょっと残念。できれば「純」純正で作りたく、アオシマのキットからゴールドの14インチアルミ(当時の純正オプション)を流用することにした。ホイールを盗られたキットについては、TRDのドンガラ内装のランナーパーツを入手してあり、アオシマ版の土屋CARROT TRUENOに仕立てようと思っている。
EASY KIT REVIEW&BUILD PLAN

- 純正形状より大きいリップ
- 分厚いFバンパー
- 天井の厚み
- ボンネットのプレスが「トレノ」形状
- トランクのプレスが省略されている
- サイドモールが分厚く太い
- リヤガーニッシュとテールランプが後期形状
- トランクの位置が1mm相当高い
- 全体的に角が丸い
これらを改善しながらレビン「前期」を『らしく』仕上げていきたい
DONOR KIT
アオシマ 1/24 トヨタ AE86 スプリンタートレノGT-APEX ’84


このキットからはホイールとタイヤを調達
実車では、’84、リリースから2年目にカタログオプションとなったゴールドの14インチアルミである。
デザインはレビン/トレノやセリカに装着されたシルバーに濃いグレーのアクセントのボルトが見えるタイプとキャップ違いと思われる。
オークションサイトでアオシマのランナーパーツを調達

ネットオークションで入手したバラ売りのLEVIN前期用ランナーパーツ
赤・オレンジと透明はよく見かけるが、メッキのパーツの出品頻度がやや低い。
フロントグリルは以前製作したアオシマの LEVIN TRD N2の使わなかった残りパーツ
(通常は閉まっており、確か80km/h以上だったかで、真ん中が開いて冷却するようになっていたかと記憶するが、走り屋さんたちはオーバーヒートしないようにスリットタイプのノーマルグリルに替えていた)
外装
QC NO.22 サイドモール

0.25t 2mm幅のプラ平帯で、2枚をずらして接着、片方の耳を切り落とす。
F.R. フェンダーとドア分を現物合わせで切断、やすりで端部の角を落とす。ドアの前の部分は開閉時にフェンダー中に入り込むためモールが干渉しないよう貼り合わせた一段分を先端から1mm程度削いで段を付けておく。(実車形状参考)
今回は銀/黒のハイメタルトーニング、モールは銀の塗色、車体と一緒に塗装し、クリア仕上げの前にボディに接着する。
QC NO.23 フロントグリル

アオシマから流用のフロントグリル
固定用のダボの部分にヒケがあるのでタミヤの液状パテで調整
塗装は黒サフ→C2黒(ボディ下半分と一緒に塗装)→「LEVIN」デカール→クリアコート
追って上下の横線の墨入れとなる。

フロントグリルの墨入れ
店頭で考えに考えてタミヤのXF-15フラットフレッシュを選択。

縦の溝にも塗料が流れ込んでしまう。上から黒を入れると多分横にも流れこむので乾いたら黒のマジックで塗りつぶす。若干「LEVIN」の文字にラインが勝ってしまったが色の選択は悪くないと思う。
QC NO.24-1 塗装 黒サフェーサーとブラック塗装

グレーの捨てサフを研いで黒のサフェーサーを吹き付ける。窓枠は黒のサフェーサーを活かすので、窓枠でマスキングする
リヤバンパーと別体のフロントバンパーは、C40ジャーマングレー(3/4つや消し)を吹き、リヤバンパーをマスクしてC2黒(基本色)を車体下半分に吹き付けた。
ツートンは明るい色から塗るのが順当だが、フェンダー部のマスキングのしやすさから、黒を先にした。
※、ドアのBピラー部のブラックアウトはGT APEXとGTのみでSE、LIME、GLはボディカラー
QC NO.24-2 塗装 シルバー

シルバーはクレオスC159スーパーシルバーをチョイス。
マスキングテープは基本3M製を使用、そのまま使うと毛羽立ちがあるので際の部分は、カッティングマットに貼ってカッターでまっすぐ切ってから使うようにしている。
フェンダーのカーブの部分はニチバンのクリアラインテープを使用。使いやすい。
マスキング後、C2黒を吹いた部分のゆず肌を#600、#800の神ヤスで軽く研いでおいた
ハチロクのツートン塗分けの肝
1.基本のラインは真ん中を通るプレスラインの「V」字の窪みの縁から下の平面部分にとる
2.フェンダー部はプレスライン窪みより外側にラインを取る
3.給油口の蓋の部分、やや内側で縁は上部のカラーが出るようにする。

結構難しいのがフロントバンパーの塗分け
ウインカーに挟まれたスリット部分だけ凸上に団がついている。
前期は樹脂のまま、ツートンが塗られており、C40ジャーマングレー(3/4つや消し)の下の部分はクリアの研ぎ出しが終わるまでマスキングしたままになる。
※前期と後期はバンパーの形状も変わっているが、塗分けのラインも違うのがポイント。

何回かに分けてC159スーパーシルバーを吹く
2025年現在の塗装技術や材料だとファミリーカークラスでもメタリックはクリアが2コートだったり綺麗な塗装がされているが当時の記憶と印象ではそこまででギラギラテカテカした感じはなかったように思うので、下地を黒サフェーサーにして下半分の黒を先に塗ってシルバーを塗った。
メタリック塗装は難しい
メタリック塗装の難しいところは前回、AE85愛車仕様のトレノの塗分けの際、ドアを別で塗装したら微妙に色味が違って見えたこと。ドアだけぶつけて再塗装になったらちょっと違ってしまったのと同じ感じ。吹き付けるときの塗料の薄め具合や吹いているときのノズルの距離などメタリックの粒子のつき方だと思われ、今回はドアを仮止めして塗装した。甘く見ていたのはサンルーフの蓋の部分、うっかり別で塗装したら、やっぱり微妙にニュアンスが違うような気がして、乾いたらペーパーで落として後日吹きなおす予定。
QC NO.24-3 サイドモール

クリア仕上げの前にボディ同色のシルバーに塗装しておいたサイドモールを接着
真ん中のプレスラインから2mm下が目安。
接着剤で汚さないよう下側もマスク。
セメダインハイグレードを使用
QC NO.24-4 塗装 クリア1(デカール下地)

トランクのエンブレムとサイドモールのリヤフェンダー部に小さな「LEVIN」のデカールを貼るのでごく軽くGX112スーパークリアー III UVカット 光沢を吹いた。
デカール貼り付け後、乾燥を待ってさらに2コート程クリアを軽く吹く
研ぎ出し、本塗装、磨き出しは車体の艤装がある程度進んでからにする
メタリックのトップコート問題
ネットではメタリックのトップコートにクリアを吹くと中の粒子がクリアに溶け出してムラになったり輝きが落ちるそう。なので最初は砂吹きしたり、トップコートを水性にしたりいろいろ工夫が必要らしい。ハチロクの塗装はさほどでもなく割と沈んだシルバーなので気にせずクリアで仕上げることにしている。今でいうところの商用車のシルバーのクオリティという感じなのでデロデロ、ギラギラに仕上げる必要が無いと思って先に進める。マツダの赤メタリックはそうはいかないだろうな。

フロントバンパーを固定、艤装段階に入る

天井に大きな埃のブツがあったのと、サンルーフ部の蓋になる部分を別で塗装したら色目が違って見えたので、Bピラーとサイドシル部を塗るときに、サンルーフ部ものせて、天井部分だけC159スーパーシルバーを塗り直した。
QC NO.24-5 塗装 クリア仕上げ

デカール乾燥後、ラプロス#6000➠#8000で水研ぎしてからGX112スーパークリアー III UVカット 光沢を3回に分けて吹いた。
デロデロまではいかないが結構攻めたつもり。
クリアの厚さで色目が変わって見えないよう、サンルーフは閉めた状態を維持して塗装した。
QC NO.25 テールランプ

後期形状のクリアパーツの飛び出しているところが後期ではバックランプ、なのに、ウインカーやバックランプの仕切りは前期形状だったりする。
フジミのキットはトレノ、レビンの前期後期で4形状あるがすべて同じもので、作り手の塗分けに委ねるという現状である。
キットにあまり手を入れない人は、バックランプ部をボディと同色に塗装して凌いでいる人を見かける。

後期用バックランプ部の切除はニッパーを使うとヒビが入ることもあるのでエッチングのこで切断、やすりで整えた。
トランクの形状を修正した際、の0.5tのプラシートを貼ってランプ部の高さを詰めたのでレンズの上を削って合わせる。

実車より若干バックランプが大きいがレンズのモールドに沿ってマスキングしたので目をつぶる
ガラスやフロントのウインカーを黒塗装する際にレンズの縁を黒く塗装する。

表裏をマスキングテープでサンドイッチして断面にクレオスC33艶消し黒を吹いた。
QC NO.26 窓ガラス

ドアを固定するため内装をボディに固定したことで干渉してそのままではガラスがはめられなくなってしまった。前後をばらしても無理で、さらにクオーターとリヤガラスを切り離した。
フィッティングが確認できたらガラスの表をマスキングして薄めたグリーンのクリアを裏から吹く
GX104クリアグリーン:GX112スーパークリア=1:1をシンナーで倍に薄めた。

フジミのキットはドアにガラスが無いことが多く、内装が見えやすいからだろうか?
ドアを開閉させると見た感じが締まらないように思い、ドアガラスのあるアオシマのランナーパーツをネットで買って切り出し、流用した。
湾曲の形状は合っており、ドアにあてがってサッシの枠を取ったら1mmくらい外側で切り抜く

リヤクオーターガラスの黒セラ、左ガラスで模ったマスキングを切り抜いて右側のガラスの裏に貼ればOKだと思っていたが。。。
金型の歪みか成型時のものなのか、形が合わない、左右で微妙に形が違うために時間を食ってしまった。

フロントガラスもリヤガラスも、表にマスキングテープを貼ってサッシをガイドにマジックで模り切り抜いて裏から貼ったものの、左右対称ではなく、修正が必要だったこともあり、少し歪んでいる。
両面にテープを貼って表に線をかたどったら透かしてなぞり、切り抜いた方が良さげ。
QC NO.27 リヤトランクガーニッシュ

2ドア GT APEXにはトランクにガーニッシュが装着されている。キットは後期形状なので削った。


透明プラバンか何かで作ろうと考えていたら、ウインドウパーツのフィッティングでバラバラに切り分けた際、不要な部分が目につき、湾曲のカーブもいい感じだったので切り出してみた

サイズは現物合わせ。厚みがあったので裏から平やすりで削いだ。
上下に2本の線があり、上段の線は鍵穴の部分が切れている
鍵穴は虫ピンを使うので下穴をあけておいた。
線はプラカッターでケガいて0.15のクレオスラインチゼルで掘った。

塗装はクレオスGX101 クリアブラックとGX112スーパークリアを1:1で混ぜ、シンナーで倍に薄めたものを下地として吹き付け、手持ちのGX102ディープクリアレッドを薄めて上から軽く吹き付けた。
写真下は、クリアの黒を一緒に吹き付けたセンターコンソールにある小物入れの蓋である。
こちらはフジミのクリアパーツの中にあった、レビンでは使わないトレノ用のヘッドライトを加工。




